伊藤正樹（イトウマサキ）さん

【所属】

NPO法人 基礎科学研究所

 

【経歴】

1950年　東京都生まれ

 

1969年　東京教育大学附属駒場高等学校（現筑波大学附駒場高等学校）卒業
1973年　東京工業大学理学部を卒業
専門は物理学（理論）。日本学術振興会研究員、および京都大学基礎物理学研究所湯川財団研究員を務めた後、英国・スイス・カナダ各国の大学において上席研究員・客員教授を務める。

1995年から地方国立大学の大学院教授、退官後は東京都狛江市に物理学サロンを開き、若い人々の育成に務めている。
日本物理学会シニア会員、理学博士

NPO法人基礎科学研究所（在京都）所属

 

 

☆趣味☆

ピアノの練習

 

 

家庭教師をしている理由・背景

 

大学在職中の経験が主な理由ですので、それからお話ししましょう。

私は海外でしばらく大学研究員を続けていましたが、それを切り上げて帰国し、地方の小規模な国立大学に奉職しました。

ここは学力的に多様な学生が在籍していましたが、赴任した当時、すでに理系では大学院進学が標準的になりつつあり、この大学も博士課程の設置へ向けて準備を始めていました。そこで私は学生さんに積極的に進学を奨励し、それが可能になるように、教育上の努力や工夫を続けてきました。

当初、私が最も困ったことは、「正しい理解を積み重ねる」という当たり前の学習を、最初から選択肢に入れていない学生さんが多かったことです。

反抗的というわけではないのですが、かなりの学生さんが「勉強とは結果を記憶するもの」と見做し、理解することとは考えていないように見えました。

これでは理系の学習、ましてや大学院に向けての学習は成立しません。考え方を根底から変えさせ、正しい学習習慣を根付かせるために私が採った方法は、学部の授業で毎週レポート課題を課し、添削を続けることでした。

つまり、学生さん一人一人と個人的なコミュニケーションをとることにしたのです。

これによって学習の進め方を少しずつ変えさせて行き、彼らが少しずつレールの上に乗りはじめてから、大学院も順調に機能するようになり、最終的に私の研究室では理論分野で一定数の研究者を育てられるまでになりました。研究者の道を選ばなかった卒業生も、多くは学校教員や優良企業の開発部門の職を得て活躍しています。 

 

しかしこのような教育は、なかなか骨の折れる作業で、率直に言って、理系の教育は大学に入学してからでは難しい・・・と思わせる場面も多々ありました。

もう少し早い段階でこのように指導されていれば・・・という思いは、私だけでなく学生さんにもあったと思います。

そのため私は、退職後には中学・高校生、場合によっては小学生から教えたいと、漠然と考えるようになりました。

 

 

 

教育に対する想い

 

正しい学習習慣は、早いうちに身に付けることが重要です。

正しい学習習慣などと言うと、型に当てはめる響きがありますが、それは私の本意ではありません。

単純に「合理的な学び方」と考えて下さい。これを若い方々に身に付けて頂きたいと思っています。

例えば受験勉強において、「解き方を覚える」ことが最も効率的であると推奨する人々がいます。

これは「解き方を覚える」の意味が問題です。

「解く手順を覚える」ことを意味しているのであれば論外です。

人間の脳は、そのようなやり方で機能するようには設計されていません。

これは受験勉強に限ったとしても大変に非効率で、大学レベルの学習ではもはや効率の問題ではなく、「可能か不可能か」の問題になります。

言葉で説明することは難しいですが、正しい学習は、基本概念の把握がまず第１です。そしてその上に、論理的な積み上げを自分自身の感覚に組み込んでいくような作業が必要になります。

能力を獲得するとは、学んだ知識を自分にとって自然なものにすること、自分の思考の一部に組み込み、そして（過度の精神的な負担を伴わずに）常に活用できるようにすることを意味します。

そこまで持って行くことが学習です。その状態は「理解」と言っても良いでしょう。

 

私にとって教育は共同研究と同意義で、互いに理解を共有するために行います。

「教える」「教わる」という行為は、人間のコミュニケーションの基本形です。

しっかりしたコミュニケーションによって、真の理解とはどのようなものかを体験し、合理的な学び方が自然に身に付くように指導したいと思っています。

 

 

センセートを知った経緯・魅力

あるサイトからの案内メールで知りましたが、その社名や経緯の詳細は覚えておりません。

時間講師などの各種案内は度々目にしておりましたが、教材や指導方法に講師の裁量を尊重する姿勢が見られない場合や、服装など本質的でない条件、また指導以外の作業義務など、教えることに魅力を感じられないものが殆どでした。センセートさんの募集には、その点の束縛感がなかったので応募してみました。

 

とくにマッチング作業については、講師が生徒さん側の要望の詳細を知った上で応募できるところ、また講師から生徒さん側に方針等を直接知らせることができるところが、大変ありがたいと思います。

 

 

【伊藤さんより】

若い人々は軌道に乗ると急速に成長することを、私は在職中に何度も目の当たりにしました。

そのような人々を、これからも発掘して行きたいと思っています。

理系志望の人々のみを対象にしているわけではなく、国際社会で仕事ができる人々を育てたいと思いますが、理系の分野に進みたい方々は、大学院への進学が必須の時代になっていることを理解しつつ、充実した勉強を始めてください。

 

 

 

【！事務局からのお知らせ！】

センセートの閲覧者数はありがたいことに、

１日３万人以上（平均34000PV）です。

つまり毎月、約100万人近くの目に止まります。

すなわち、センセートは広告に絶大な効果を発揮します。

弊社では学生・プロ、学習塾・親御様を中心に、インタビュー者選考会議を行っています。

 

伊藤さんに続いて、

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取材日：2023年3月03日

取材者：中西悠樹（代表）