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高校受験会談!☆家庭教師&一流教師 対談シリーズ☆【家庭教師のセンセート】

インタビュー

2023/03/04

今回は高校受験のトップ教師対談。

 

代表の中西が業界の第一線で教える教師を招き、気づきを得るシリーズです。

 

お相手は立場上匿名希望のため、簡単な経歴をご紹介します。

 

50代男性

早稲田大学卒

都内有名中学部で経験を積んだ後、近畿圏の有名個別指導塾勤務

現在、個別指導塾の校長を担当

 

情勢を鑑み、対談はオンラインで行いました。

便宜上、お相手の名前を清水様(仮名)としております(以下、敬称略)。

 

中西「本日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。」

 

清水「いえいえ、こちらこそ。どんな話が出来るのか楽しみにしておりました。」

 

中西「高校受験業界で第一線を走ってこられた清水様とお話できて嬉しいです。導入として早速伺いたいのですが、清水様はどのようにして現在に至ってこられたのですか?」

 

清水「大学時代、稼げるからと思って個別指導塾のバイトをしていたんです。そこで、教えるっていいなと思えてきて。やりたいこともほとんど無かったので、塾に就職して中学生相手に集団で英語を教えていました。トップの高校を目指すクラスで教えていたので、当時は若かったので、かなりエネルギーを使いました(笑)。ただ、40代になって少し体力も落ちてきたころにちょうど塾業界の知人から『こっちにこないか?』って誘われて。そこから個別指導塾の管理職(塾長)になって、現在に至ります。」

 

中西「素晴らしいご経歴ですね。集団塾と個別指導塾、両方のご経験がある方を探しておりましたので、本当にありがたいです。ご自身のご経験を紐解いていきたいのですが、集団塾で教えておられた時、集団にはどんなメリットやデメリットをお感じになりましたか?」

 

清水「メリットは何といってもクラスに同じレベルの高校を目指す戦友が集っていることですね。集団は基本、小・中・高どの段階でもメリットは変わらないと思っているんですが、やっぱり同じ高校(を目指す生徒)やライバルがいる存在というのは大きい。例えば筑波、開成、早稲田、慶應といった名だたる高校を目指す生徒たちがトップクラスに集まると、みんな目の色が変わるんですよね。教師にとっても教えがいがあって、ちょっと手を抜くと生徒から『この訳し方でもいいんじゃないですか?違うんじゃ?』って指摘されたり(笑)。特に難関校を目指す優秀な生徒には、メリットだらけだと思いますね。」

 

中西「やはり集団塾のトップクラスともなると、生徒も先生も費やすエネルギー量が高いのですね。そして、ライバルとの切磋琢磨で合格へ上り詰めていく。そう言ったイメージでしょうか。」

 

清水「仰る通りですね。優秀な生徒はみんな勝ち気な子供が多いので、宿題も予習も当たり前にやってくる。万が一でもサボったら、先生だけじゃなくて周りの友達から冷たい目で見られるわけですからね。誰かが授業を乱そうものなら、周りから無視されたり怒鳴られたりするなんて当たり前。誰かが簡単な問題で間違ったら後ろ指をさされる。上位クラスを維持するためにも必死。まさに戦場ですよ。」

 

中西「それは戦場ですね。清水様もかなりの心身ともにかなりの力を注いでこられたんだとお察しいたします。いまお話を伺っていると、優秀な生徒とか、上位クラスは集団塾の恩恵を受けやすいのでは。言いかえると、下位クラスでは逆なのではないかと、お言葉の端々から見えてきたのですが、その点はいかがでしょうか?」

 

清水「まさにその通りです。デメリットを考えたときに、下のほうのクラス、いわば勉強が出来ない生徒にとってはデメリットの方が大きいんですね。あくまで私の意見ですけれども、授業に付いていけないというか、そもそも付いていこうとしないというか。まず勉強する気がない子供が多い。はっきり言って授業態度も悪いし、単にお金払って来てまーすみたいな感じですね。」

 

中西「やはりそうなのですね。それは例えば、叱ったり、励ましたり、集団塾からアクションを起こしても子供達の反応は変わりませんか?」

 

清水「ほぼ変わりませんね。ボーッとしているというか、下位クラスにはどこでも良いから高校に入れればOKという子供ばかりでした。そりゃもちろん難関校を志望校としている生徒もいましたけれど、ほとんどがまず勉強しない。もしかすると、いや、恐らく自分が行きたいというより親が行かせたいという動機なんでしょうね。」

 

中西「なるほど。動機の真偽は別として、目線を変えてお尋ねします。例えば中学受験の塾業界には勉強が出来ない子や、その親御様を『お客様』と捉える風潮があります。つまり、勉強が出来ない子には通うは通ってもらって授業料を払ってもらうと。そのような認識というか風潮は、中学生の集団塾にも漂っていましたでしょうか?」

 

清水「もちろん、勉強が出来ない子はお客様という扱いは当然のようにありましたね。下位クラスを担当する先生達の中には、いかに勉強させるかではなく、いかに笑わせるか、勉強させた気にさせるが大事だと断言する先生もいました。まあ、授業が進まなくても何となく楽しければ子供達は満足して通ってくれる、親も授業料を払ってくれるという訳です。」

 

中西「残念ながら、そのようなある意味でWin-Winの関係というのはなくならないのですね。塾も儲かって満足、親も生徒も通っていることで満足と。今度は時間軸で視点を移したいのですが、清水さんが移られた個別指導について伺いたいです。大手塾と個別指導で、最も大きな違いは何だとお感じになりますか?」

 

清水「集団と個別では、やっぱりエネルギーの配分量が違いますよね。100のエネルギーを20人に配るのと、100のエネルギーを2人に配るのとでは違う。そう言った意味で、集団より格段に一人一人の生徒を大事にできるのは間違いないと思います。」

 

中西「分かりやすいご説明に感謝します。『個別のほうが一人一人の生徒を大事にできる』と仰いましたが、見方を変えれば『大事にすべき生徒が個別に通っている』という様に受け取れます。言いかえれば、勉強が苦手な子は個別に多いと感じているのですが、いかがでしょうか?」

 

清水「仰る通りです。個別指導は勉強の方法が分からない子や、自分で勉強出来ない子がかなり多く通っています。でも、どこの個別指導塾でも多かれ少なかれ、一緒じゃないでしょうか。」

 

中西「そこなんです。そこが清水様に伺いたかったところなんです。そういった自力で立ち上がったり、自信を失いかけている子に対して、どうアプローチしていかれるのでしょうか?」

 

清水「うーん・・・痛いところを突かれますね(笑)現実は、なかなか出来ていない。建前上は、良い先生が集まっている、やる気になると宣伝しているのですが、内情は理想に程遠いです。そういったメンタル面のフォローまで出来る先生は・・・塾業界を去って、それこそプロ家庭教師として独立していかれますね。中西先生は実はご存知なんでしょう?」

 

中西「僭越ながら、少しは感づいております。プロ家庭教師の中には大手塾や個別指導塾を経験しつつも、肌質が合わなかった、内情で醜い現実を見てしまった方が少なくないのです。もちろん家庭教師には家庭教師で光と闇があるわけですが、集団にせよ個別にせよ、塾の経営的願望が強く生徒に影響してしまう。そこは教育界の課題だと感じています。」

 

清水「そうですよね。集団も個別もバリバリの教育ビジネスなんだ!って確信しています。いくら子供を最優先に考えたいと思っていても、保護者に追加の授業を薦めたり増やしたりしてもらう営業は経営上やめられない。その点、家庭教師はどうですか?」

 

中西「家庭教師も大別すると、お金儲けに走る人とお金儲けに走らない人に分かれます。比率は99:1くらいですかね、いや本当ですよ(笑)。個人的に私は変わっていて、必要であれば生徒に集団塾や個別指導塾を薦めたり、短期的に講習に通ってもらうことを薦めたりします。その代わり、通わせる塾の講座やテキストは徹底的に精査しますね。本当に生徒に必要なのか、生徒の学力に合ったレベルなのか。大人の先生1人が、子供の人生を良くも悪くも一転させると考えていますから。加えて、塾もビジネスなので、短期で通わせてもそのまま長期で通わせようと必死になって説得してくる。ですから生徒や親御様には『上手い口車には乗せられないように、でもどうしても家庭教師を辞めて塾に通いたかったら私は尊重します』と申してはいます()

 

清水「生徒のことを本当に考えていないと出来ない行動ですね。長年色んな教師を見てきましたが、そういう先生はほとんど見たことがありません。どんな風に考えたら、そのように行動できるのですか?」

 

中西「信念として、教育には素晴らしいかつ恐ろしい顔がある、つまり教育は二面性を持つという考えが根底にあります。教育一つで、子供の将来を花開かせることも、潰すことも出来る。特に中学生は思春期で、様々な複雑な思いを抱えていたりします。反抗が強い子供や、家庭の事情で心を抑圧している子供が比較的多い。そんな自我同一性の台風に一人の大人が入ってくる。これはとても責任重大なことだと思うんです。たとえ甘い話術で儲けても、質の悪い教育で一人の人生を台無しにしていいかって岐路に立ったとき、その人の倫理観や人格が試されると考えていて。ですから集団・個別といった塾や家庭教師といった形態を超えて、私たちはそろそろ経営的視点と教育的視点の塩梅を考えるべきだと考えています。だからこそ、清水先生のような方と出逢えて嬉しいんです。」

 

清水「とんでもありません。なるほど、とても勉強になります。考えてみればそうですね。どっぷりと教育業界に浸かっていると、どうしても経営的なことで塾の利益ばかり考えている自分がいます。」

 

中西「それは至極当たり前のことだと思います。実は、塾を心の拠り所としている子供はとても多いんです。ご存知の通り、授業が無い日なのに先生と話したくて通ってくる生徒がいるのと同じです。何といいますか、塾は安全基地としての役割もあるといいましょうか、自分が安心できる場所があってはじめて子供は勉強したいと思える。それだけでも塾の存在意義はあると思うほどです。ですから、清水様の姿勢は真っ当だと思いますし、引き続き清水様の素晴らしい指揮のもと、子供達に勉強の居場所だけでなく心の居場所を与えてあげていただければ嬉しいです。」

 

清水「いやぁ、そう言っていただけて私も心が救われました。中西さんのような方に来て頂ければ、私の個別指導塾も劇的に改善すると思います。真面目な話、副校長あたり、どうでしょう?()

 

中西「とんでもありません、私には荷が重すぎます。私は一介の家庭教師に過ぎないばかりか、『この仕事していなきゃプータロー』なんです(笑)未熟者が思い上がったことを申してしまい、大変申し訳ございません。お褒めの言葉に恐縮です。」

 

清水「そんなそんな(笑)ぜひ近畿圏の受験対策にも明るい中西先生にもお力をお借りしたいです。特に西京高校(代表の出身校)は御三家として絶大な人気です。我が塾にも西京を目指して頑張っている子がいますよ。」

 

中西「それは非常に嬉しいですね。これを機会に、何かお力になれることがありましたら何でも。またこうやってお話出来る日を楽しみにしております。本日は貴重な時間を割いて頂き、本当にありがとうございました。」

 

Interview by 中西悠樹(代表)

Transcribe by SENSE8事務局

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