教育はクルマだ。運転席に座るのは、君。by家庭教師のセンセート
コラム
2023/03/03

※写真は私が以前乗っていた車の一台です。
はじめて運転教習で運転席に座った日を今でも覚えています。
それはそれは緊張しました。
そして初めてアクセルを踏むと車が動いて(当然ですが)、無意識に「あっ動いてます!」と発したのを今でも覚えています(笑)
最初は緊張の連続だったにも関わらず、教官は優しく、時に厳しく教えてくださいました。
当時の教官達のおかげで、現在に至るまで安全運転を貫くことが出来ています。
話は逸れますが、私は”ほぼ”怒ったことがないので、「じゃあいつ怒るんですか?」とよく聞かれます。
それは、危険運転をする車に出遭った時です。
私は唯一、眉間に皺を寄せます。
急な割り込み、急な追い越し、そして煽り運転。
”なぜか急いでいる”車には、「あの人、トイレでも行きたいんだなぁ」と自分に言い聞かせています。
しかし危険運転をする車も、意外と同じ赤信号で追いついてしまうのですが(笑)
私は車に疎いので、カスタム(改造?)する方法が分かりませんし、進んでカスタムしたいと思わない人物です。
車に詳しい方によると、車の排気量が3982ccあるとのことで、軽よりスペックは良いらしいのですが、私は走れれば何でも良いと思っています。
私は不器用なので安全運転のことしか考えられず、車の装飾まで考えが及びません。
よく背部にカッコいい(?)ステッカーを貼っておられる方もいますが、「そのままでいいやー」と貼ったことが一切ありません。
また時折、大量のぬいぐるみやフワフワの布(?)をフロントに置いている車を見かけますが、その度「運転しずらくないのかなぁ、すげーなー」と関心してしまいます。
何より東大より難しい問題は、タイヤを斜めにしている車です。
ほんっっとに分からないのですが、なぜタイヤを八の字のように傾けるのでしょうか??
燃費が良くなるとか、何か良いことがあるのでしょうか?(私の車はハイオクで燃費が6~7kmと非常に悪いので、誰か真剣に教えてください)
雑談が過ぎました、失敬。
車は利便性が高い一方、危険性が高い乗り物です。
毎日、車にまつわる悲惨な事故が報道される事実は、車の危険性を証明しています。
運転には人の命が関係していることを、運転者はしっかり認識しなければなりません。
意外ですが車の運転と教育は、ある意味で似ています。
声を大にして言いたいのは、運転席に座り、運転するのは生徒自身だということです。
言いかえれば、イスに座り、勉強するのは生徒自身なのです。
冷静に見ると”当たり前”ですが、現場(現実)では当たり前ではないのが実情です。
例えば、親御様が運転席に座ってハンドルを握ろうとなさるケース。
親御様が全権を握り終始、子供の勉強を親が代わって手本を見せようとなさる。
気持ちは分かるのですが、これでは本人の運転(勉強)は未来永劫、上手くなりません。
次に、親御様が助手席で過度の助言をなさるケース。
車を運転したことがお有りの方は共感していただきやすいかもしれません。
助手席からあまりに多くの指摘を受けると運転気分を害することがあります。
「いま信号が青になったよ!いま動いて!」
「いま加速して!いや、やっぱり減速して!」
「なにやってるの!道を間違えたじゃない!」
あまりにも”隣”から指示を受けすぎると、運転者(生徒)は辟易としてしまうものです。
最後に、親御様が車にさえお乗りにならないケース。
いわゆる、無関心です。
過度な助言も問題ですが、無関心も同時に問題です。
未熟な運転者(生徒)に、何の関心も持たない。
口癖は「全部、お任せしますから。」
その代わり、教官(教師)に全ての責任を追わせる。
運転者(生徒)の技術(成績)が向上しなかったり、路上試験(入試)に合格しなければ、怒りの矛先は全て教官(教師)へ。
この記事をご覧の教育関係者の皆様にとっては、”あるある”ですね。
私は長年家庭教師を営んできて、確信したことが一つあります。
それは、親御様も運転者(生徒)の状況を適度に見守っていただくことが成功の条件だということ。
いわゆる0か100、白黒とした態度ではなく、より柔軟かつ長期的な目線で子供を見守っていただきたいのです。
家庭教師や塾を選択なさった場合、もちろん”より適切な指示”を出すのは教師の役目です。
とはいえ、最初は間違って当然です。生まれつき完璧な子供など、一人もいません。
教師の役目とは、ナビゲーションです。
現在地はどこなのか。
どの道を選べば最適なのか。
この道は、どのくらいの速度で進めば良いのか。
どんなところに気をつけるべきなのか。
もし道を間違ったら、他にどんなルートがあるか。
熟練した教師ほど、ナビを出すタイミングとナビの質は素晴らしいものです。
とはいえ、子供自身がエンジンをかけてアクセルを踏まなければ、例えナビが優秀でも何の役にもたちません。
よく他社の応募文章で「子供をやる気にさせてください」という文章が散見されますが、
言いかえれば「子供のエンジンをかけさせてください」ということです。
もちろん、教師はエンジンのかけ方を知っています。そして、あの手この手でエンジンをかける方法を生徒に伝えます。
しかしそれでも子供がエンジンをかけないならば、意味がありません。
例えエンジンがかかったとして、アクセルを全く踏みたくないならば、ナビがあっても無駄になるでしょう。
そうです。主役はいつだって生徒(子供)自身だということです。
莫大なお金を払って有名塾に入れたり、家庭教師を雇ったりする。
この選択に非はありません。
ただ巨額を投じても、子供が何をやっても行動を起こそうとしない。
それはまるで、高級車の運転席に”ただ座っている”だけです。
せっかくの高級車のハイスペックも無駄になってしまうだけです。
それよりもまずは、どんな車でも良いからまずエンジンをかけてみて、アクセルを踏んでみる。
緊張しても大丈夫です。
間違っても良いから、前に進んでみること。
そこから、確かなゴールへの道筋は立てられるのです。
おや、高みの見物をしておられる教育者のあなた。
実はあなたも他人事ではありません。
車と社会的地位、学歴はある意味で似ています。
社会的地位が高い方や高学歴の方はいわば、高級車を所持している方と似ています。
しかし、だからといって無事故、つまり安泰が保証されているわけではありません。
高い車に乗っていても、メンテナンスを全くしていない方。
安い車に乗っていても、メンテナンスをいつもしている方。
または、
高い車に乗っていても、危険運転をする方。
安い車に乗っていても、安全運転をする方。
どちらがより、あなた自信の命(人生)を守れるでしょうか?
私であれば、
自分の命を軽んじる運転者に、
大切な人の命(人生)を預けたいと思いません。
それよりは、
自分の命を重んじる運転者に、
大切な人の命(人生)を預けたいと思います。
教育は、命の次に重いと言っても過言ではありません。
教育者はいつも謙虚な姿勢を忘れず、
生徒はいつも自分が主役だという意識を持ち、
親御様は全体を見守る俯瞰的視点を保つなら、
その”クルマ”は雨の日も雪の日も、荒れた道でも進んでいけるでしょう。
ぜひ親御様には、複数の”教官”からより適した教師を見極めていただけると幸いです。
車も教育も、共に安全で快適な旅路となることを願ってやみません。
Text by 中西悠樹(代表)
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