私の元には、インターナショナルスクール生を持つご家庭からのご依頼が殺到します。

 

 

しかし９割のご家庭が同じ誤解と失敗を経て、私の元にお越しになります。

 

最も大きな誤解は、

英語が話せる先生ほど良いはず、というもの。

 

「TOEIC990点（満点）の先生だったのに」

「英語がペラペラな先生を選んだのに」

「留学経験がある先生を選んだのに」

 

 

興味深いことに親御様の後悔は、決まって上記に集約されます。

 

確かにインターナショナルスクールは英語を用いるので、英語が堪能な家庭教師を付ければ良いと思われがちです。

 

英語が「話せる」ということは必須条件です。

されど、それだけではありません。

英語が「使える」ということも必須条件なのです。

 

結論から申し上げると、日常英語とインターナショナルで使う英語は、別物です。

 

 

この記事は家庭教師もご覧になっていると思うので、ある一文をご紹介しましょう。

いまパッと思いついた文章でお粗末ですが、訳してみてください（ミスがあれば失礼）。

 

A quadratic equation always has two possible solutions.

If the quadratic is a perfect square, the two solutions will be the same and they are called repeated roots.

 

少なくとも、英検やTOEICなどの資格試験や、日常会話で使う言葉ではないことはお分かりでしょう。

 

しかしインターナショナルでは、上記のような英語を学校でも家庭教師の授業でも使うのです。

ですから、英語圏にいた経験や、英語資格でハイスコアを取れたからといって、太刀打ち出来るとは限らないのです。

 

だから、親御様は「単に英語が出来る先生」を募集して失敗しやすいのです。

正解は、「インターナショナルスクール生を教えられる先生」を募集すること。

 

ちなみに、上記の英文は何と書いたか。

それは、

”２次方程式は常に解の候補を２つ持ちます。もしその２次式が完全平方であれば、その二つの解は同じになり、それらは重複解と言います。”です。

 

インターナショナルはただでさえ進度が速い学校です。しかも、多くの学校は学習レベルが高い。

子供の英語力を伸ばすには、絶好の環境です。

上手く導いてあげれば、インターナショナルスクール生は飛躍的に能力を伸ばせます。

 

英語圏で活躍したい子供の未来を、お粗末な家庭教師が奪うわけにはいきません。

ですから私は個人的に、英語で英数国理社を解く鍛錬を重ねています。

 

ちなみに上記の英文が読めない家庭教師の方は、インターナショナル生指導はオススメいたしません。

いえ、僭越ながら向いておられません。

意気揚々とインターナショナル生を受け持ったにもかかわらず、これまですぐ解約となった家庭教師を数多く見てきたからです。

 

それでは、敗者復活戦。

去年８歳のインターナショナル生を教えていたときに教えた内容です。

これがヒント無しに読めたら、先生のあなたはインターナショナルスクール生指導の見込みがあります。

 

”The line which bisects an angle of a triangle internally divides the side opposite the angle in the ratio of the sides containing the angle."

 

蛇足ですが、帰国子女や難関校在学でなくても、インターナショナルスクール生を上手に導いてあげると、ハイレベルな英語も読めるようになります。

 

 

以下は、ちょうど先日に私の生徒（インターナショナル生12歳・医学部、脳外科医志望）に教えた医学英文（論文）です。

 

Excessive fluid intake is believed to be the primary risk factor for hyponatremia, on the basis of observations of marathon runners who have collapsed and studies of elite athletes. However, other risk factors have also been suggested, including the composition of fluids consumed (e.g., plain water, rather than sports drinks that contain electrolytes), relatively low body-mass index, long racing time, lack of marathon experience, use of nonsteroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs), and female sex.

 

上記は医学部志望の高校生どころか、医学部１年生でも容易では無いと思います。

つまり、突出した才能と英語力はインターナショナルスクールと家庭教師を上手く利用して伸ばすことが可能だということです。

 

 

話を戻します。

 

再度、親御様に申し上げます。

 

インターナショナルスクール生の家庭教師を選ぶ時は、

日常の英語力や英語資格よりも、インターナショナル生を教えた経験や実績がある教師を集めてくださいませ。

 

私は職務上、心理英語や医学英語等も授業で教えていますが、日常英語とは全く別物です。

ですから、単に英語と一括りにするのではなく、専門的な英語が使える教師をご用命くださいませ。

 

ああ、そうでした。

先ほどの”敗者復活戦”の答えを。

 

”三角形の頂点の角（頂角）から引いた２等分線は、対辺をその角を挟む二辺の比に内分する。”

これを小学生が解きます。

 

ぜひインターナショナルスクールを検討されている親御様や、スクールに通わせている親御様、そして家庭教師の皆様のご参考になれば幸いです。

 

 If you want your child to get the best education possible, it is actually more important to get him assigned to a great teacher than to a great school.

 

Thumbnail design and Text by 中西悠樹（代表）